兼業投資家を中心とした普段はザラ場が見れない投資家に適性がある『中長期投資』。中長期投資と言っても様々な手法があります。今回はかつてのグロースの雄、エムスリーに学ぶ200倍株のストーリーを綴っていきます。第24話の物語コーポレーション/テンバガー編でも取り上げましたが、小さいところから大きく育てていくのは中長期投資の醍醐味でもあります。どのようなストーリーで時価総額200倍を達成したのかに迫っていきます。

エムスリーはm3.comを中心とするプラットフォームサービスを活用し、多様なサービスを展開する世界でもユニークなベンチャー企業です。主に医療業界の課題解決のために多様な事業を展開しています。

◎過去ポスト抜粋
1)黎明期05-10年 疑心暗鬼、乱高下📉

添付にも記載しておりますが、黎明期(まだ事業的に未開拓/蝦夷地の状況)の推移は主に地合いに左右される/乱高下/方向性が不透明で上昇トレンドでもありません。しかし逆に言えば『値幅』を狙うのであればここが買いのポイントになります。

2)成長期11-15年
事業認知度が上がり成長軌道に、機関投資家も複数/安定介入していく。

機関投資家は一般的に年金や投資信託等の運用を任されている組織であり、失敗が許されない状況で社内答申ルールも大変厳しい状況にあります。時価総額がある程度のレベルに達しており、中型株~大型株でありトップライン/営業利益率が安定的に拡大していることが条件になります。よってこの成長期に資金を投入していく訳です。アベノミクスで地合いが良かったことも大きく寄与しています。

成熟期①16-18年
18年 FRBの複数回利上げで16年株価に逆戻り。

事業内容×海外への広い展開で業績は絶好調ながら18年の米国による利上げでグロースが壊滅状態に。エムスリーも例に漏れず時価総額を拡大することが困難となりました。

成熟期②19-21年
コロナショック→オーバーシュート

19年-20年で時価総額は約4倍に。コロナショック後にグロースへの資金集中があったことで代表銘柄であるエムスリーに資金が集中。完全にオーバーシュートし需給が崩壊。一度崩れたチャートが元に戻ることは難しく、25年現在未だに株価は低空飛行しています。又、業績鈍化も一因ではあります。

全期間持ち続けてようやく時価総額200倍です🔥

振り返ると主に成長期と成熟期(利上げ時期以外)に時価総額を拡大していることが分かります。そして将来的には第二のエムスリーが誕生していく訳です。相場はこういったサイクルを繰り返しています。今後は日本株に限らず米国株の中長期投資についても触れていきたいと思います。

第27話に続く

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